伊豆諸島の名産品と言えば
「くさや」
私の鼻が鈍くなったのか、生産者側の配慮なのか
昔よりもその匂いがマイルドになったような気がします。

昔、私の家はテニスコートに面しておりました。
有閑マダムやアッパークラスのにおいがプンプンしている社交場のようなところ。

どこで仕入れたか、酒飲みの私のおやじが持って帰ってきた「くさや」
晩酌のアテにと母が焼き始めると
そのあまりの臭気にテニスコートから
くさいくさいと悲鳴が聞こえ
あっと言う間に人が消えます。

ニオイの暴力
今でいうとスメハラに当たるのでしょうか。
いや、もはやテロ。

「くさや」を焼いたキッチンも隣のリビングも数日間、においが消えないほど。
とんでもない代物でした。

くさや、ブルーチーズはじめ香りのきつい食品ですが
どうも昔よりも香りが抑えられている気がしてなりません。
あまり得意でない私には嬉しいことではあるのですが

食品の香りなんかも時代にニーズに合わせて移り変わりがあるのかもしれません。

一様にみんなマイルドになってしまったらば
それはそれで寂しいのかもしれません。