店の名前は忘れてしまったが、ヘイトアシュベリーには
オレンジ色にペイントされた妙なウェアハウスが1軒あって
僕たちは、暇さえあればそこの店先に集った。
仲間は2,3人の日もあれば20人近い日もあり
僕たちはそこでたわいもないことを何時間でも話していた。
とっくに日も落ちて、話すことに飽きる頃、一人ふたりと
観光客も途絶えた坂道を風になって下る。
海に向かって次第に遠くなるボードの騒音こそが
「明日また会おうぜ」といった僕たちのあいさつ—–。
互いにファーストネーム以外は何も知らない知ろうともしない。だけど確かな「仲間」たち—–。
あらゆる坂道の向こうには必ず期待した風景が拡がるものと信じることの出来た
まだほんのガキの頃のこと。
サンフランシスコ・ハーバーライト、赤く青くゆれる。
愛すべき故郷。《プロケッズ》は永遠のアメリカン・ストーリー・テラーです。